iPhoneで撮影したHDR動画を編集してYouTubeにアップロードする方法

映像制作

iPhone12からドルビービジョンのハイダイナミックレンジ (HDR) ビデオで撮影できる機能が加わりました。
HDRビデオでは明暗の差が大きい被写体を美しく撮影できます。そしてHDRで撮影された動画は対応しているiPhoneやMacBook Proのモニター、あるいはテレビで見ると、その色彩豊かな世界を感じることができます。今回はそのHDRで撮影した動画をHDRビデオとしてYouTubeにアップロードするまでを解説していきます。

iPhoneで撮影時の設定

iPhoneでのHDRの設定画面

撮影する前に確認する設定は次の2つです。初期状態でこの設定になっていると思いますので確認だけしてみてください。

1. 「設定」>「カメラ」>「フォーマット」を選択して「カメラ撮影」の「高効率」をチェック。

2. 「設定」>「カメラ」>「ビデオ撮影」を選択して「HDRビデオ」をオン。

その他の設定はHDR撮影には関係ないので、今のままで大丈夫です。
あと私の場合は、速い動きを滑らかに表現したい、という狙いがないので「ビデオ撮影」の設定で映画と同じスタイルの1秒間に24フレームの「4K/24fps」を選んでいます。1秒間に表示されるフレーム数が24枚で他の30fpsや60fpsに比べて少ないので、その分データ容量を抑えることができます。

撮影した動画をMacに取り込みFinal Cut Pro Xで編集する

iOS用のiMovieでもHDRで編集できるようですが、今回はMacBook ProのFinal Cut Pro Xで編集します。
今回はこれにCompressorを加えて書き出しまでを行います。

Final Cut Pro XでWide Gamut HDRカラー処理を使用する設定

Wide Gamut HDRカラー処理を使用する手順

1. 色処理を変更したいライブラリを選択し「インスペクタ」ボタンをクリックします。

2. 「変更」ボタンをクリックします。

3. 出てきた2つの選択肢を「標準」から「Wide Gamut HDR」に変更します。

これでiPhoneで撮影した動画を取り込んで編集します。

編集したプロジェクトを書き出す手順

Compressorを使ってHEVC10ビットのドルビービジョンHDRを高速でエンコード

Compressorを選択する

「ファイル」>「Compressorへ送信」>「新規バッチ」を選択します。するとCompressorが立ち上がり編集したプロジェクトが表示されます。

「Apple デバイス 4K」 (HEVC 10 ビット、HLG、ドルビービジョン 8.4)  設定を選択

開かれたウィンドウの左側の「設定」>「Apple デバイス 4K」(HEVC 10ビット、HLG、ドルビービジョン 8.4)を選択して、ドラッグして真ん中に表示されているプロジェクトに適用します。動画のサイズは4Kとは限らないと思いますので、ドラッグした後に右側に現れたビデオのプロパティで元の動画のサイズ、あるいは任意のサイズに変更します。選んだサイズを多用するようであれば、その他の設定もした後にカスタムとして保存します。
この設定を選びぶポイントはコーデックがHEVCであることとプロファイルが10ビットカラーであることです。

「エンコーダのタイプ」で「高速 (標準品質)」を選択

ウィンドウの右側の「エンコーダのタイプ」は初期の状態では「低速(高画質)」になっているのですが、エンコードに時間が掛かるので「高速 (標準品質)」を選択します。画質が気になる方はその下にあるビットレートを上げた方が良いかもしれません。

FCPXからCompressorを使って書き出しYouTubeにアップロードしたHDR動画

この動画はHDR対応のPCモニターで「HDR」画質で見られている場合は歯車の設定のところに「HDR」の文字が見られます。対応していないモニターや「HDR」に切り替わっていないときは「4K」あるいは「HD」などと表示されます。
もし「HDR」に切り替わっていない場合は下の項目の「ワードプレス用に変換したHDR動画」をご覧ください。
また、スマホでご覧になる場合は使っている回線や画面サイズの関係でHDRで表示されない状態が多いかもしれません。YouTubeのサイトに行って、設定から画質を選択するなどしてご覧ください。

YouTubeの画面でHDRと表示されている画像

HDR対応のモニターでYouTubeで見ると右下の設定にHDRと表示されます。上のキャプチャーした画像は空が白く飛んでしまっていますが、YouTubeのブラウザー上では正しい色で見えています。

ワードプレス用に変換したHDR動画

YouTubeですとHDRとして表示されないこともあることが判明したので、この動画を作成しました。この今ブログをアップしているワードプレスでは“.m4v”の拡張子は再生できないようですので、Compressorで“.m4v”の拡張子で書き出した後、Convertioという無料でファイル変換をしてくれるサイトで“.mp4”の拡張子に変換してワードプレスにアップロードしました。
HDRに対応していないモニターでは正確な色で表示されません。

FCPXから共有を使って動画を書き出す手順

HDR動画にはならないのですが、比較のために手順と書き出した動画を載せます。

Final Cut Pro Xで共有からエンコード

「YouTube および  Facebook」 を選択

警告の表示画面

1件の警告画面

「8ビットコーデックを使用すると、ビデオの品質が低下することがあります。」という警告が現れ、10ビットでないとHDR動画にはならないことを示唆されます。そしてそのまま書き出しした動画をPCで見てもHDR動画ではないことを確認できます。

FCPXから共有を使って書き出してYouTubeにアップロードした動画

YouTubeの画面で4Kと表示されている画像

HDR対応のモニターでYouTubeで見ても右下の設定に4Kと表示され、当然ながらHDR動画ではないことが確認できます。

まとめ

今回、HDRで編集しようと思ったキッカケは、iPhoneのHDR動画の表現の豊かさに感動したこと、新しいMacBook Proを購入したことでHDRの画質で編集できる環境が整ったことと、そしてYouTubeではHDR動画がアップロードできるのを知ったからです。
HDR動画はYouTubeを見てもそれほどアップロードされていませんが、今後テレビでYouTubeを見るような機会が増えると確実にニーズが上がってくる色設定だと思います。参考にしていただき、今後違ってきていることなどがあればコメントいただけたら嬉しいです。

iPhoneで撮影した美しいHDR動画

最後に全てiPhoneで撮影した動画を使ってHDR動画としてアップロードしたYouTubeの動画をご紹介します。
iPhoneでイベントや観光地を撮影すると、自然なその場所にある景色が撮影できると感じています。皆んなが同じように撮影しているので、大きな一眼レフとは違って警戒されずに自分の感動も含めて撮影できるのです。そんな感動をこの動画で感じていただけたら嬉しいです。

Ebico

Ebico

テレビ番組やライブの映像編集に30年程関わってきました。その中で得た感覚を元にした美しい映像に関わるアイデアを発信していきます。 2021年7月クリエーターアカデミー????Pinterest賞受賞

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